バドミントンのスマッシュの打ち方&打つコツ!スマッシュを上達させる練習法

バドミントンのショットの中でも花形といえばスマッシュ。バドミントンを始めて間もない人にとっても、ぜひ習得したいショットです。しかし、慣れない内はスマッシュを打てないと嘆く人も多いもの。そんな人に向けて今回はスマッシュの打ち方とその練習方法についてご紹介します。
スマッシュとは?
バドミントンのスマッシュは決め球として使われることの多い花形のショットです。ビシッと相手コートに突き刺さった瞬間は、それは気持ちのいいものですね。綺麗にスマッシュが決まれば、周りの人たちから歓声があがることも。
そんなスマッシュは、バドミントンのトッププレイヤーが打つと時速500km近くのスピードが出ます。新幹線より速いスピードでシャトルが飛んでいくので、一瞬で相手のコートに到達します。ここまで速いとラケットに当てるのも難しいですよね。
スマッシュの打ち方は、オーバーヘッドストロークと呼ばれるフォーム(振り方)で打ちます。これはシャトルを遠くに飛ばすクリアというショットと同じフォームなのです。つまり、クリアが打てればスマッシュは打てるのです。
▼シャトルの軌道を知りたい方はこちら
>>バドミントンのショット10種類!全ショットの球筋を徹底解説
「クリアは打てるけど、スマッシュが上手く打てない(決まらない)・・・」とお悩みの人は次に紹介するコツを意識してみてください。きっと打てるようになるはずよ。
スマッシュで意識する2つのポイント
スマッシュを打つために意識してほしいことは大きく2つあります。
(1) 力の入れ方
全てのショットにも言えることですが、力はラケットがシャトルに触れる瞬間だけで十分なのです。
決め球にもなりますから、「スマッシュを力いっぱい打ちたい」と考えている人は少なくありません。それゆえ、打つと決めた瞬間からギュウッと力を入れていやしませんか?そうすることで無駄な力が増え、ラケットを振るスピード(ラケットスピード)は遅くなってしまいます。スマッシュのスピードとラケットスピードは基本的に比例しますから、当然力いっぱい降ってもラケットスピードが遅いと強力なスマッシュは打てないのです。ですので、スマッシュを打つときは、打つ瞬間以外は緩くリラックスして握り、打つ一瞬だけギュッと力を込めるようにしましょう。そうすると、ラケットをスムーズに振り抜くことができます。つまりラケットスピードがあがり、スマッシュの打球スピードも上がるはずなのです。
(2) 打点
スマッシュを打つために意識したいことの二つ目は「打点」です。打点とは、シャトルを打つ位置のことです。スマッシュは、打点を体の軸より前方にして打つことが大切な条件です。クリアを打つときの打点は頭上(真上)が基本となりますが、スマッシュの場合はそれよりも前方に打点をおきます。そうすることでラケットがシャトルにあたる瞬間のラケットの面の向きは下を向いているはずですから、シャトルの軌道は自然と相手のコートに向かって沈んで飛んでいくのです。
また反対に、体の軸より後方で打った場合は、どうしてもシャトルを打つ時のラケットの面が上を向いてしまいますから、打球は上に向かい、スマッシュにはならないのです。
「スマッシュが打てない」と悩み嘆く人の多くはこの「打点」が原因です。そんな人は、自分の感覚より一瞬早くラケットを振り始めるようにしましょう。そうすることで打点を前でき、スマッシュを打つことができます。
もっと言うと、この打点はできるだけ高い位置の方が良いとされています。一般的にスマッシュは打球に角度がついている方が、つまり高い位置から打ち下ろすイメージのほうが、相手に返球されにくいからです。相手がシャトルを返球する時の打点をできる限り低くした方が有利に試合を進められます。ですから、できるだけ高い打点で、叩きつけるように相手の足元に打ち込むのがより良いスマッシュと言えます。
そのためにも、次に紹介するジャンピングスマッシュを駆使できるようにしてましょう!
ジャンピングスマッシュに挑戦
ジャンピングスマッシュとは、その名の通り、ジャンプして打つスマッシュのことです。見た目も派手ですし、うまく決まれば非常に気持ちがいいショットです。相手に精神的ダメージも与えられますから、習得しておくと強力な武器となります。
基本は前述した「スマッシュを打つ時に意識する2つのポイント」を守ってください。加えて、ジャンプして空中で打つわけですから、空中で身体のバランスをとることに注意しなければいけません。身体の軸が曲がっているとシャトルにパワーが伝わりにくいからです。
ジャンピングスマッシュを打つためのステップは4つです。
- 1. 素早くシャトルの落下点より少し後方に移動して返球態勢に入る
- 2. できるだけ高い打点で打てるタイミングで前方にジャンプ
- 3. ジャンプしたら身体を弓のようなイメージで反る
- 4. 身体を反った反動も活かして、ラケットを振り切る
ジャンプの仕方やタイミング、空中でのボディバランスなど、すぐには難しいジャンピングスマッシュですが、繰り返し挑戦することで、自分のタイミングはつかめてくるものです。恐れず挑戦しましょう。最初は失敗してもいいのです。どんどんジャンプしましょう。
さらにテクニックとして、「ジャンプの上昇途中」「最高到達点」「ジャンプの下降途中」などシャトルを打つタイミングを自分で打ちわけられるようになると、相手の準備タイミングも外すことができるようになります。そうするとジャンピングスマッシュの効果が何倍にもなるのです。練習中から、どの位置で打つか、意識しておくといいでしょう!!
スマッシュが上達する効果的な3つの練習法
さぁ続いて、スマッシュが上達する効果的な練習法をご紹介しておきましょう。他のショットにも当てはまりますが、ある特定のショットの練習をする時は、ノックが有効です。
【1】. スマッシュ→プッシュ練習
これは前後の動きを取り入れた練習方法です。試合の中での「決めパターン」のひとつにもなります。「スマッシュを打ち、前方に素早く詰めて次の球をプッシュで決める」という流れを繰り返します。練習相手であるノッカーは、そのために前後にシャトルをノックしてあげるのです。流れとしては以下になります。
- 1. コート中央で構える
- 2. ノッカーから上がってきたシャトルをスマッシュで返す(コート後方で打つ)
- 3. スマッシュを打ったら、素早くコート中央に戻る
- 4. ノッカーから上がってきたシャトルをプッシュで返す(コート前方で打つ)
- 5. 1に戻る
これを20球×3セットなど回数を決めて繰り返します。スマッシュを返球された時を想定しており、返ってきたシャトルを前に詰めて決めきる、という練習になります。はじめはコートの半分を使って、単純に前後を順番通りに練習しましょう。
【2】. スマッシュ→スマッシュ練習
これは左右の動きを取り入れた練習法です。フォア(利き手)側から打ったら、次はバック(利き手の反対)側に移動してから続けてスマッシュを打ちます。どちらもコートの後方で打つ形になりますが、スマッシュを打ったらコートの中心に戻ることがポイントです。以下が一連の流れになります。
- 1. コート中央で構える
- 2. ノッカーから上がってきたシャトルをスマッシュで返す(コート右後方で打つ)
- 3. スマッシュを打ったら、素早くコート中央に戻る
- 4. ノッカーから上がってきたシャトルをプッシュで返す(コート左後方で打つ)
- 5. 1に戻る
これも同じく20球×3セットなど回数を決めて繰り返し行います。さらにスマッシュを打つ時は、右(左)から左(右)へのクロスの打球なのか、ストレートに打つのか意識すると更に練習になります。ただノックを打ち返すのではなく、より実戦に近い意識で取り組みましょう。
【3】. 2対1練習
前述した【1】【2】のノック練習にも慣れてきたら、次のステップがこの練習です。文字通りノッカーを2名にして、あなたは一人で二人に対してスマッシュを打ち込みます。ノッカーが打ち返す球のコースは、始めは限定しておくといいでしょう(最初から難しいと萎えてしまいますから)。慣れてきたら、徐々に制限を緩めていき、最終的には返球場所をランダムにして行いましょう。「あなたがノッカーから5ポイント、スマッシュを決めたら交代」などのルールでやるとやる気もでます。厳しい球でも、攻めきるチャレンジが大切ですよ!
ノック時のポイント
ノックなどの練習は、ノックをするノッカー側の技術が重要です。ノックが下手だと、効果のある練習は難しくなってしまいます。ノッカーを選ぶ時は、できる限り上手な人に頼むほうがいいでしょう。
ノックする側「ノッカー」のポイントを2つご紹介しておきます。
1つ目は「気持ち早めにノックする」ということ
ノックの利点は、あなたがミスしようが空振りしようが、次の球を出せるところです。つまり球を出すタイミングもノッカー側でコントロールできるのです。また、ノックは練習なわけですから、厳しい・きつい球出しをしてあげた方が練習になります。簡単な球を何度打っても実践では、そんな簡単な球はめったに飛んできませんから。ということは、少しだけ早めにノックしてあげることで、その分早く反応して打つ、という感覚が身につきます。これが出来ると実際の試合で、余裕を持って処理できるようになります。
2つ目は、「ノックはツンデレで」ということ
ツンデレは例えですが、つまり「きつい球とゆるい球」を織り交ぜるということです。きつい球ばかりだと打てない球が増え、やる気も上がりません。反対にゆるい球ばかりだと練習になりません。大切なのはバランスです。
必死に頑張らないと打てないようなきつい球の中に、少し頑張れば打てるゆるい球を織り交ぜてあげれば気持ち良く練習できるはずです。
以上、「スマッシュの練習方法について」でした。怪我をしないように準備運動もお忘れなくっ!